水疱瘡の初期症状とは?水疱瘡の潜伏期間と感染力

更新日:2025.7.7
公開日:2025.7.7

子どもの感染症としてよく知られている水疱瘡(水痘)は、一度かかると免疫がつく病気としても知られていますが、実際の初期症状や感染力について正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。特に、周囲に小さなお子さまがいるご家庭や、保育園・学校など集団生活をしている環境では、水疱瘡の潜伏期間や発症前の感染リスクを把握しておくことが重要です。

本記事では、「水疱瘡の初期症状」や「水疱瘡の潜伏期間と感染力」、「帯状疱疹との違い」について紹介します。水疱瘡の早期発見と適切な対応にお役に立てればと思います。

参考文献:水痘|厚生労働省

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水疱瘡とはどんな病気?

水疱瘡(みずぼうそう)は、「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」によって引き起こされるウイルス感染症です。空気感染・飛沫感染・接触感染のいずれでも感染するため、その感染力は非常に強力です。発症すると全身に水ぶくれを伴う発疹が現れますが、多くの場合は自然治癒します。ただし、大人がかかると重症化しやすく、肺炎や脳炎など合併症のリスクがあるため注意が必要です。日本では定期接種としてワクチンが導入されており、予防も可能な感染症とされています。

初期症状の見極め方と進行の特徴

水疱瘡の初期症状は、38度前後の発熱、全身の倦怠感、食欲不振など、風邪とよく似た体調不良から始まります。その後、1日ほどで赤い小さな発疹が顔や体幹、頭皮などに現れ、急速に水疱へと変化していきます。水疱は強いかゆみを伴い、破れると痂皮(かさぶた)になります。全体として発疹は数百個以上に増えることもあり、1週間ほどかけてかさぶたが乾き、治癒していきます。発疹は数日間にわたり段階的に出現するため、赤い発疹・水疱・かさぶたが混在する状態になるのが特徴です。

潜伏期間と感染力のピーク

水疱瘡の感染から発症までの潜伏期間は10〜21日(平均14日程度)とされています。この期間中は症状が出ないため、感染に気づかずに周囲へ拡散させてしまうことも少なくありません。特に水疱瘡は、発疹が出現する1〜2日前から感染力を持つため、無症状でもウイルスを拡散している可能性があります。水疱がすべてかさぶたになるまで感染力が続くため、保育園や学校では出席停止の扱いとなります。薬局としては、感染が疑われるご家族やご兄弟への対応、家庭内での衛生管理についても丁寧にアドバイスしております。

夏に注意すべき理由と皮膚トラブル

水疱瘡の発症は通年で見られますが、夏は特に注意が必要です。高温多湿な環境で汗をかきやすく、皮膚のバリア機能が低下しやすい季節であることから、発疹部位の悪化や二次感染のリスクが高まります。汗や摩擦によって水疱が破れやすくなり、化膿やとびひといった皮膚合併症につながることもあります。また、夏休み中は帰省や旅行で人の移動が増えるため、地域をまたいだ感染拡大の引き金になるケースもあります。夏場の発疹トラブルに関しては、薬局でのスキンケア相談も多く寄せられています。

水疱瘡と帯状疱疹の違い

水疱瘡と帯状疱疹は、同じウイルス(VZV)によって引き起こされる疾患ですが、発症の仕組みと症状に大きな違いがあります。水疱瘡は初感染時に発症し、全身に広がる水疱が特徴です。一度治癒するとウイルスは体内の神経節に潜伏し、何十年も後に再活性化して発症するのが帯状疱疹です。帯状疱疹は、神経に沿った帯状の範囲に激しい痛みと水疱が出現し、中高年やストレス・疲労で免疫力が落ちた時期に多く見られます。

水疱瘡の医療機関での対応について

水疱瘡の治療は、通常、発しんに対して外用剤を用いて治療します。抗ウイルス薬は重症水痘、水痘の重症化のリスクのある免疫不全者には第一選択薬となります。発しんなどの症状が出現し水痘を疑う場合、医療機関に電話等で水痘の疑いがあることを伝え、医療機関の指示を仰ぐようにしてください。

早期の発見と正しい対処を

水疱瘡は自然に治るケースが多いとはいえ、感染力が強く、早期の対応を怠ると家庭内や地域での感染拡大を引き起こす可能性があります。初期症状に気づいた段階で受診することが重要です。また、家庭内接触での発症率は90%と報告されており、家庭内での感染を防ぐために水疱(水ぶくれ)に触れた後の確実な手洗いやタオルの共用を避けるといったことも重要です。

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監修・執筆: サンキ薬局