春の花粉が落ち着くと「やっと花粉の季節が終わった」と感じる方が多いかもしれません。しかし、秋の花粉症に悩まされる人が増えています。その主な原因のひとつが「ブタクサ」です。夏の終わりから秋にかけて活発に花粉を飛ばすブタクサは、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどを引き起こします。
本記事では、「ブタクサの花粉症が流行る時期」や「花粉症対策」について解説します。
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ブタクサ花粉症とは?
ブタクサ花粉症とは、ブタクサの花粉が原因で起こる秋の花粉症です。ブタクサはキク科の植物で、河川敷や空き地、道路沿いなど身近な場所に生えています。草丈は1メートル前後と低く、黄色い小さな花をつけるのが特徴です。1本のブタクサから飛散する花粉の量は非常に多く、風に乗って広い範囲に広がります。花粉の粒子が小さいため、鼻腔の奥や気管支に入り込みやすく、スギ花粉と同じようなアレルギー反応を起こします。
秋の花粉症として知られるのはブタクサだけでなく、ヨモギやカナムグラなどもありますが、その中でも特にブタクサは発症率が高く、アレルギーを持つ人に強く反応します。ブタクサの花粉が流行る時期に、外出が増える場合やジョギングや散歩が日課になっている人は注意が必要です。
ブタクサの花粉はいつごろ流行する?
ブタクサの花粉が飛び始めるのは8月下旬からで10月頃まで続きます。最も多いのは9月で、気温が高く乾燥した日に飛散量が増える傾向があります。ブタクサはスギやヒノキと異なり、草本植物であるため背丈が低く、花粉は地面近くを漂います。そのため、通勤・通学・散歩など日常生活の中で直接吸い込みやすいという特徴があります。
都市部にも多く自生しているため、自然が少ない地域でも安心はできません。特に道路脇や駐車場の片隅など、人目につきにくい場所に群生していることが多く、気づかないうちに花粉に触れているケースもあります。
風邪の症状との違いとは?
ブタクサ花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、喉のイガイガ感などです。特に朝晩に冷え込む時間帯や、外出後に症状が強く出る傾向があります。一見すると風邪の初期症状と似ていますが、発熱を伴わない点や、症状が長期間続く点が大きな違いです。
風邪は通常1週間程度で自然に回復しますが、ブタクサ花粉症は花粉の飛散期間中ずっと症状が続きます。また、鼻づまりや喉の違和感に加えて、目の充血や涙が止まらない場合は、花粉によるアレルギー反応である可能性が高くなります。喉や気管支にも影響することがあり、咳が続く人も少なくありません。
症状を悪化させやすい生活習慣
ブタクサ花粉症は、生活習慣によって症状が悪化することがあります。特に睡眠不足やストレス、食生活の乱れは免疫バランスを崩し、アレルギー反応を強める原因になります。夜更かしが続くと自律神経が乱れ、鼻の粘膜が敏感になることで、鼻づまりやくしゃみが悪化しやすくなります。
また、喫煙や飲酒も注意が必要です。たばこの煙は粘膜を刺激し、炎症を悪化させる恐れがあります。アルコールも血管を拡張させる働きがあるため、鼻づまりがひどくなることがあります。さらに、エアコンの乾燥した空気も粘膜を刺激しやすく、加湿器を使ったり水分補給を心がけることで、症状の悪化を防ぐことができます。
自分でできる花粉対策
ブタクサ花粉症を軽くするためには、日常生活の中で花粉を体内に入れない工夫が重要です。外出時にはマスクや眼鏡を着用し、帰宅後は衣服をはたいてから室内に入るようにします。顔や手を洗い、うがいをすることで、付着した花粉を除去できます。洗濯物や布団を外に干す場合は、花粉の少ない午前中の早い時間を選ぶことがおすすめです。
また、室内の環境にも気を配り、換気をする際は窓を全開にせず短時間で行うことが大切です。空気清浄機を使用することで、空気中の花粉やハウスダストを減らすことができます。また、十分な睡眠とバランスのとれた食事を意識し、体の抵抗力を保つことも大切です。体調が不安定だとアレルギー反応が強く出やすくなるため、生活リズムを整えることが症状の緩和につながります。
ブタクサ花粉におすすめの食べ物
ブタクサ花粉症は、食事によって体質をサポートすることも可能です。特に腸内環境を整える食品や、抗炎症作用のある栄養素を含む食材は、アレルギー反応を穏やかにすると言われています。
ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸のバリア機能を整え、免疫バランスを安定させます。また、青魚(サバ・イワシ・サンマなど)に含まれるDHA・EPAは、炎症を抑える働きがあり、鼻や喉の腫れを和らげる効果が期待できます。ブロッコリーやパプリカなどビタミンCを多く含む野菜は、抗酸化作用によりアレルギー物質の過剰反応を抑えるのに役立ちます。一方で、唐辛子やアルコール、加工食品の過剰摂取はアレルギー症状を助長する可能性があるため、注意が必要です。
つらい症状は薬局へ相談
ブタクサ花粉症は、薬局でも相談できる季節性アレルギーのひとつです。市販されている抗ヒスタミン薬は、鼻水やくしゃみなどの症状を和らげるのに効果的です。近年は、眠気が出にくいタイプの薬も増えており、仕事や勉強の妨げになりにくいというメリットがあります。また、点鼻薬や点眼薬を併用することで、局所的なかゆみや鼻詰まりなどにも対応できます。
アレルギー体質の方やほかの薬を服用している場合は、自己判断せず薬剤師に相談することで、安全に花粉症対策を行うことができます。医療機関で処方される成分と同等の市販薬も多く、重症化を防ぐためにも早めの相談がおすすめです。症状が長く続く場合や呼吸器症状が強い場合は、耳鼻科やアレルギー科の受診を検討することが大切です。
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監修・執筆: サンキ薬局